学校長あいさつ

 春は700本の桜が咲き乱れ、夏はうぐい川にホタルが乱舞する。そして晩秋は大河原のモミジが色鮮やかに紅葉し、冬は市内で最も降雪が多く白い銀世界に染まる。そんな四季折々にみごとな表情を見せてくれる鮎河の自然。この自然に囲まれながら生活する人々は、たくましさと温かな心を持ち合わせています。
  明治6年(1873年)3月3日、この地に現在の甲賀市内で初めての学校が設立され、以来140年が経過しました。当時は校舎がなく、寺院や個人の家を転々としながら授業が行われ、23年後の明治9年にやっと校舎ができました。少しでも早く学校教育を受けさせたいという思いと、山あいの狭い土地を大切に守りたいという思いのジレンマが古い記録から感じられます。現在でもなお、土地への愛着と学校教育への関心は非常に高いものがあります。
  かつて昭和20年代は、全校児童が200名を超えていましたが、地元産業の衰退とともに過疎化が始まり、平成24年度現在では児童数は28名となりました。少人数ではありますが、子どもたちは元気よく、学年を超えて優しく、まじめで何事にも意欲的に取り組んでくれます。上級学校に進学しても、他の地域の生徒になじみ、リーダーとなる子もいます。
  子どもたちが、地域の伝統を忘れず、地域に愛着を持ちながら社会で活躍してくれるよう、われわれ教職員も一生懸命教育に当たっていきたいと思います。

甲賀市立鮎河小学校         
 学校長     黄 瀬 毅