本校区は甲賀市南部に位置し、南は三重県伊賀市に接しています。南北に細長く、小丘陵が散在し、この丘陵の谷間に水田が入り込んでいる風景は、豊かな自然を実感すると共に、どこか懐かしく心温まる思いに包まれます。集落は、この小丘陵をぬって流れる浅野川に沿った平地と丘陵地に点在し、上流より上馬杉、下馬杉、上野川、下野川、柑子の5つの集落を形成しています。これらの集落は、昔から「滋賀の宮村」、「滋賀の模範村」と言われ、農事の改良や生活改善、社会教育の普及・充実に先駆的な役割を果たしてきました。昔より築かれてきた教育に対する思いを受け継ぐ地域の一致協力の気風が、学校教育への高い関心と深い理解となって、現在も物心両面で支えていただいています。
本校では、少人数の良さを活かしながら特色ある学校づくりとして、「愛鳥活動」「ふれあい交流」を柱として教育活動を行っています。特に「愛鳥活動」では、50年以上の取組をもとに、自然観察や環境保護活動、感動体験を通して豊かな心作りを目指しています。観察してわかったことや調査したことについては、野外観察発表会の場で、全校に発信する学びの過程も大切にしています。「ふれあい交流」では、地域の方々との豊かな出会いを通して、多くのことを学び、宮をさらに大切に思う子どもたちを育んでいます。また高齢者の方との交流を通して、命・人権を大切にする実践的な態度の育成を図っています。
未来をたくましく切り拓く力の育成のため、今年度も「確かな学力」「豊かな心」「たくましい心と体」の育成に取り組んでまいります。今年の合言葉は、「子どもに向き合い、取組の更新を!~とにかくやってみよう」です。
以下に取り組みの重点をご紹介いたします。
「豊かな心」を育む
1.「愛鳥活動」等の体験活動を通して豊かな心を育む。
○「愛鳥の集い」で学級の鳥と学級目標の発表をします。
○春と冬の2回野外観察会を行い、全校発表会を持ちます
2.「校内人権の日」「ふれあい交流」を通して人権教育を進める。
○年6回「校内人権の日」の取組を行います。
○人権週間を設定し、様々様々な人権課題について考えます。(障がい者理解・国際理解など)
○高齢者や保育園、中学校との交流を行います。
○6年生を中心とした「生き方学習」を推進します。
3.自尊感情を高め、いじめや差別を許さない学校作りを進める。
○縦割り活動を推進し、他学年との交流も深めます。
○いじめの早期発見・見逃しゼロに向けた取組を推進します。
4.道徳教育を推進し、社会性や思いやりの心を育む。
○読み聞かせ等読書活動を推進します。
○道徳の授業公開をします。
「確かな学力」を育む
1.子どもの「確かな学力」を育むための授業改善を行う。
○自分の考えを持ち、授業で友達との意見交流を進めます。授業の最後に学びをふり返り、新たな気づきを次に活かします。
○2学年合同学習で子ども同士の教え合いや学び合いを進めます。
○『こうか授業術五箇条』を実践します。
○個別最適化を意識した家庭学習の工夫に取り組みます。
○ICTの効果的な活用による「個別最適な学び」と「教働的な学び」の充実を図ります。
○1年生から外国語活動を取り入れ、コミュニケーション能力を育てます。
2.家庭と連携して望ましい学習・生活習慣を定着させる。
○「生活習慣振り返りカード」や「家庭学習の手引き」を活用して、家庭学習の定着を図ります。
「たくましい体と心づくり」
1.基本的生活習慣を定着させる。
○「生活習慣振り返りカード」を通して家庭と連携しながら取り組みます。
(早寝早起き・あいさつ・歯みがき・家庭学習・仕事・メディアコントロール)
2.体力作りと食育教育を進める。
○外遊びの推進と昔遊びの伝承、遊び文化を推進します。
○栄養教諭による食育指導や養護教諭による保健指導を行います。
○「いのちの学習」(4年生)「薬物乱用防止教室」(6年生)を行います。
○継続的な栽培活動(農園の活用・田んぼの学習)を行います。
今後も、地域との絆を大切にしながら、「宮の宝」である子どもたちの健やかな成長のため、教育活動の充実を図っていきたいと考えています。
甲賀市立甲南第三小学校
校長 角出 昭子