今月の一言 2014年度

今月の一言 2014年度

 

目の前のことを      3月
  いよいよ、しめくくりの時期を迎えました。3月20日には、64名の6年生に卒業証書が手渡されます。
 最高学年の6年生は、学校生活のあらゆる場面でリーダーとなり、期待に応える活躍をしてくれました。
 1年生から5年生も、学年にふさわしい成長ぶりで、自信あふれる言動が見られるようになりました。
 様々な学習や活動、そして体験を通して、いろいろな困難を乗り越えて、もう1年前の子どもたちとは違います。
 さて、こんな話を聞いたことがあります。
「目の前のことをかたづけない限り、先には進めない。」
 高校、大学時代、住み込みで新聞配達を続けた人の話です。
 起床は午前4時、配達部数は400部、配り終えるのに2時間はかかった。配達先は、たいへん階段の多いアパート、マンションの密集地。季節を問わず、雨の日はたいへんだった。また、雪の日もハンドルを取られて何度も転んだ。当時の雨具は、分厚いゴムの雨合羽にゴム長靴だ。
 つらかった雨や雪の日の体験を含めて、あの時代をなつかしく思う。18歳に戻れるなら、私は迷わずまた配達生活に戻る。
 何ごとも、目の前のことをかたづけない限り、先には進めない。そんな人生のイロハを、新聞配達から学ぶことができた。400部を配り終えなければ、学校にも行けない。たとえ雨降りだろうが、雪が積もっていようが、自分が配らなければ、配達は自動的に片づかない。
 こんな当たり前のことを学びました。

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子どもとの対話      2月 
 1月16日に行われPTA人権研修会(6年生保護者対象)において、スクールカウンセラーの先生から、子どもとの対話を生み出す伝え方として、こんなお話を伺いました。

 3つの伝え方
1.自分を重視する伝え方(ジャイアン型)
 自分の気持ちや考えは主張しますが、相手の意見や気持ちは無視したり、軽視したりします。
 例:「早く宿題をしなさい」と言って、急かせる。
2.相手を重視する伝え方(のび太型)
 自分の気持ちを言わないだけでなく、あいまいに言ったり、言い訳がましく言ったり、遠回しに言ったりすることも含まれます。
 例:早く宿題して欲しいけど、「ゆっくりしていいよ」と言う。
3.相手も自分も大事にする伝え方(しずかちゃん型)
 自分の気持ちや考えを素直に、その場にあった適切なやり方で表現します。お互いの意見や気持ちの違いによって、必ずしも自分の意見が通らない場合もあります。ですが、お互いに意見を出し合い、それぞれの納得がいく結論を出そうとします。
 例:「疲れてるのかな。宿題が終わったら、一緒におやつを食べながらおしゃべりしたいな」

 私たちは普段どんな伝え方をしているのでしょうか。

 対話を生み出す言葉
・「~と私は思う」「~と私は考える」という言葉を語尾につけて、自分が普段思っていることを正直に子どもに伝える。
・「だけど、それは私の思いであって、あなたがそうしなければいけないわけではない。どうするかを決めるのはあなた。私はあなたが決めたことを大事にしたい。」
・「あなたがどうするかを決めたなら、それをするために、私が手伝えることはある。」と伝える。

 対話を生み出す伝え方を身につけたいものですね。

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わたしが学んだこと
   ~人権週間の取り組みから~

1年生 「やさぬくしゅうかい」
 12月3日に、やさしさぬくもりしゅうかいがありました。わたしたちは「いつまでもともだち」というはっぴょうをしました。
 げきのさいごにうたった、「ともだちいいね」のときには、見てくれていた人たちが、いっしょに手をたたいてくれました。わたしたちのつたえたかった「ともだちっていいね」のメッセージが、ぜんこうのみんなにもつたわったのかなとおもいました。
 わたしは、いつまでもともだちとなかよくしていたいです。
 セリフをいうときにはどきどきしたけれど、たのしいやさぬくしゅうかいでした。ほかのがくねんのはっぴょうも、じょうずでした。ずっとずっと、みんなとともだちでいたいなとおもいました。
 
2年生 「友だちたくさん作りたい」
 ぼくは、Aくんととてもなかよしです。いっしょにポケモンごっこをしたり本を読んだりしてあそびます。 
 ぼくは1年生の時あまり友だちがいなかったので、にじジャンのてっぺんにのぼって楽しいことを見つけていたけど、2年生になったら、よく友だちとあそぶようになりました。「友だちができると楽しいな」と思いました。
 3年生になったらもっと友だちをふやして、4年生になったらもっとふやして、5年生になったらもっともっとふやして、6年生になったらもっともっともっともっと友だちをふやして、学校を楽しくしたいです。
 
3年生 「友だちパワー」
 やさしさぬくもり集会がありました。3年生の「友だちパワー」の発表で、友だちの大切さを知りました。友だちがいなければ、遊ぶ人がいないのでひまでいやです。一人でするより友だちがいてみんなでする方が、楽しいということや気持ちよくなるということを学びました。
 この前、学校の池に氷がはりました。友だちと氷を取って遊んで楽しかったです。「友だちパワー」は、すごいなと思いました。友だちは、心をあたたかくしてくれるのだなと思いました。みんながいないと遊ぶことができなくなるから、みんなを大切にしたいと思いました。遊ぶときや勉強のときなど、友だちをだいじにし、相手のいやなことを言わないようにします。
 
4年生 「かんきょうを守るために」
 わたしは、環境を守るために水を大切にしたらいいと思います。
 地球上で飲めるお水はみなさんが思っているほど多くはありません。
 例えば地球上にあるお水をお風呂1ぱい分にたとえると、飲めるお水はスプーン1ぱい分しかありません。
 なぜそれだけの水しか飲めないかというと、水が汚れていることも原因です。水がよごれてしまうと、川によごれたまま流れていって、そのよごれた水で魚が死んだり、病気になったりして、その魚を食べたら、もしかすると私たちが病気になるかもしれません。わたしは他の人が病気になるのがいやなので水をよごさないことに決めました。水をよごさないためにも石けんの使いすぎなどにも注意したいと思います。
 水を飲めるようにするためには、たくさんの手間がかかっています。また、たくさんの人が水をきれいにするために働いています。みなさんもあまり水をよごさないように気をつけてください。
5年生 「相手の気持ちを考えて」
 わたしには言ってほしくない言葉があります。でもある日、休み時間に友だちと遊んでいる時に、名前をかえて呼ばれたことがありました。友だちはいつも通り遊んでいましたが、言われたわたしはすごくいやな気持ちになりました。言っている方はいやな気持ちにはなりませんが、言われた方はとてもきずつくと思うのでやめてほしいです。
 わたしは人のことをあまり考えていなくて「少しぐらい」と思ったこともありました。でも、人のことを考えると言われた方がとても悲しいと思いました。これからは、ぜったいしてはいけないと思いました。そして、いやなことだから、みんなにもぜったいしてはいけないということを伝えたいと思いました。それから、言われる人が少なくなってほしいと思いました。
 みなさんは、いやなことを言ったり言われたりしていませんか。もし、言っていたらやめましょう。そして、言われていたら、一人でなやまないで先生などに言ってみてはどうでしょうか。
 
6年生 「幸せに感謝して」
 私はピアノを弾いています。好きなのは、みんなで合わせて一つの曲を作るアンサンブルです。練習をして発表できて楽しいしうれしかったです。
  そんな楽しくてうれしい事を私がしている時、世界中では悲しい苦しい事がたくさんあることを知りました。私は普通に勉強することができているけど、勉強することができない子どもがいることや、学校に何時間もかけて通っている子どももいることは知っていました。いやだなと思うことがあってもそんなことを言ってられない子どもがいることがわかって、私はいやなことがあってもがんばっていきたいと思いました。それに、食べ物でも毎日おなかいっぱい食べられて、きれいで安全な水を飲めるということは普通かもしれないけど、世界中の私と同じ年代の子どもにとって普通じゃないのかもしれないと思いました。
  これからは、自分が幸せであることに感謝して、少しの時間も大切に生きていきたいです。

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夢は逃げない、逃げるのは自分だ!   12月
 11月の全校集会でこんな話をしました。
 「今年の4月に、日本中の6年生に向けたアンケート調査がありました。いろいろなアンケート項目の中から、全国の平均より、第一小学校のとてもよかったことを3つ紹介します。
1.『友達との約束を守っている。』
 友達だけでなく、学級や学校、家庭でも約束があります。これからも、何があっても約束は守りましょう。
2.『学級みんなで何かをやり遂げ、うれしかったことがある。』
 学級だけでなく、学年で、学校で何かをする。一人でするより、みんなでやれば喜びは倍になります。
3.『将来の夢や目標を持っている。』
 1時間のめあて、一年の目標、そして将来の夢。小さなめあての積み重ねが、夢につながります。
 このように第一小学校の子どものよい点があります。これからもそのよさを伸ばして欲しいと思います。」
 今の子どもたちは冷めていて、将来の夢や希望を持たず、難しい目標はチャレンジする前にあきらめてしまうという声があります。しかし、子どもたちは子どもなりに夢や希望を持っています。どんなに小さなものであっても、その夢や希望に耳を傾けるのが私たち大人の責務であると考えます。
 ご家族の方々の経験や、長い間にわたって苦労して夢を実現した人々の生き方などを折にふれて、子どもたちに話してあげて下さい。そして、人生の目標は、汗を流し、失敗を重ねながら達成していくものだと励まし、あたたかく見守っていきたいものです。私たち大人は、子どもの応援団です。

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コンビニでの出来事       9月
 夏に読んだ本に、こんなエピソードが載っていました。
 コンビニのレジでの出来事です。小学校1年生ぐらいの男の子が、100円玉を1枚、大事そうに持っている様子です。手には、お菓子の箱も持っています。
 お菓子とお金を渡すと、レジのお姉さんに「ちょっと足らんよ。」と言われました。
 後ろに並んでいた私は、長くなると嫌だなと思う反面、足らない分を出してあげようかと考え始めました。
 しかし、男の子はすんなりとあきらめ、別のお菓子の袋を持ってきては、「これは買える?」と聞きました。
 「はい。」と差し出された数円のおつりを受け取ると、その男の子は、どうしたでしょう?
 迷うことなく、もらったばかりのおつりを、背伸びをし、手を思いっきり伸ばして、レジ脇の募金箱に入れました。レジのお姉さんへの「ありがとう。」の言葉も忘れずに。
 レジのお姉さんも優しく「ありがとう。」と返していました。
 お家の人と買い物に来た時、その様子を見ていたのかなと思いました。
 直後の私も、募金箱におつりを入れていました。
 私たち大人は、子どもたちから、たくさんのことを教えてもらっています。2学期もいっぱい教えてもらおうと思います。

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学習意欲       7月
 学習活動において大切なことの一つに、学習意欲があります。学習意欲の程度が、学習成果に影響します。
 学習意欲をもつために大切なことがいくつかあります。(年齢によって、個人によって変わります。)
1.学ぶ喜びを体験すること。
  (「わかった」「できた」という経験を積み重ねる。)
2.興味関心をもつこと。
  (「なぜ」という問いを持つ。)
3.自己実現の気持ちをもつこと。
  (「もっとできるようになりたい」という気持ちをもつ。)
4.学習の仕方が分かること。
  (勉強の仕方、自主学習の仕方がわかる。)
5.周囲の声かけが肯定的なこと。
  (励まし続けることが大切です。)
など、いろいろ考えられます。
 特に小学校の低学年では、また高学年でも、保護者の励ましや喜ぶ顔が、学習意欲につながります。毎日の学習や生活において、子どもたちの学習意欲を大切にしたいと思います。

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自信をつける      6月
 ある雑誌に、こんなお母さんからの手紙が紹介されていました。
 「(略)娘は、お兄ちゃんたちの影響もあって、幼稚園からそろばんを習いはじめました。今回地区大会へ出場することになりました。その過程で様々な困難に立ち向かい、時には投げ出してしまいたい心境の中、親として娘にどう言葉をかけてよいものかと迷ったものでした。がんばれとさえ言えず、ただ寄り添い見守ることしかできませんでした。これ以上どうがんばればいいの、そんな状況でした。
 いっそやめてしまえば気が楽になるよ、そんな母の言葉に、娘はせっかく出場権を手に入れたのに、ここでやめてたまるかと明るく言ったのです。その結果、地区大会で入賞するという栄誉を手に入れたのです。
 今では、成せばなる成さねばならぬなにごとも、努力に勝る天才なし、が口癖となりました。何事にも一生懸命にやることの大切さを学んだ出来事でした。」
 この手紙から、子どもたちに自信をつけてあげることの素晴らしさを強く感じました。
 逆上がりや跳び箱ができたという達成感、各種のコンクールで賞をとった喜び、日常での授業で、「わかった、できた」という成就感などを通して、どの子にも自信をつけさせたいものです。その環境を整えてあげることが、教師や保護者の役目だと思います。

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子どもの可能性     5月
子どもたちの可能性は、内容にもよりますが、小学校や中学校の段階では無限であると考えます。その可能性を狭くするのも広げるのも、その子のおかれた環境です。
 その環境の最大の要素は、人です。私が子どものころは、近所のおばあちゃん、おじいちゃん、年上の子ども、両親、先生でした。もちろん野山や川などの自然も大切な環境でした。金銭的には貧しかったけれど、人には恵まれた時代でした。
 今の時代はどうでしょう。「子どもたちは心の居場所をもっているでしょうか。一番の友だちが、メディアになっていないでしょうか。子どもたちは、夢やあこがれをもっているでしょうか。」
 今の時代を考えると、意識して環境を整えていく必要があるのではないかと考えます。私たち大人が忙しく働いて、金銭的・物質的には豊かになってきたかもしれません。しかし、心のゆとりや時間のゆとりなどに関して、関心が薄れてしまっているようです。
 だからこそ、意識して、安心してくつろげる時間・場所・環境を作る必要があると考えます。