JR草津線が三重県にさしかかるちょうど手前、JR線の中では県内で最も南の端にあたる駅が、甲賀市にある油日駅です。
「あぶらひ」という名前はあまり聞きなれない名前かも知れません。由来としては、大昔のある日、山の頂がまぶしい光を発したという伝説があります。そのときの様子がきっと太陽や油の火のような大光明であったのでしょう。
さて、ここ油日小学校からは、窓の外に、この「あぶらひ伝説」を祀る油日岳を望み、また、学校の周辺には、緑豊かな田園地帯が広がっています。全校児童数は155名で、学校創立の歴史も古く、地域の方々の支援や協力を受けながら今日まで伝統を積み上げてきました。
ところで、油日駅から本校に向かうとき、まず、目に入るのが「エコ、夢、元気」と書かれた大きな看板です。
油日小学校は、緑豊かな環境でありながら、校庭には本格的なビオトープがあり、今日までこんこんと水をたたえ続けてきました。ここにはいつしか多くの生き物が定着し、休み時間にもなると、水辺で遊ぶ子どもたちの歓声が絶えません。
また、油日小学校では、昼の放送が始まるとき、まず「自然を大切に、ものを大切に、人を大切に」という呼びかけから始まります。
この言葉は、今では学校生活全体に浸透し、環境教育が活動のひとつの柱となって学校の特色を支えるようになりました。
さらに、毎年秋に行われる環境フェスティバルは、地域の方々や保護者の方々とともにビオトープを中心とした親子活動として、活気あるイベントになっています。
子どもの頃の自然体験は豊かな感性を育みます。ビオトープが油日小学校の卒業生のひとつの誇りであるように、特色ある環境が、油日小学校の教育の活動資源としてこれからも役立っていくことを願っています。